【編集長のことば】天体から細胞までを流れる星の旋律とつながり、万物と響き合う 聖なる音世界(2026年7月号)

*この記事は、月刊アネモネ2026年7月号に掲載されたものです。

古代の人々は、
目に見える現象は氷山の一角であり、
その奥には広大な霊的領域があることを
理解していました。
そんな現象界と霊的世界をつなぐ
架け橋となってきたのが〝音〞でした。

祈りや儀式の場では
音を使った清めが行なわれ、
シャーマンたちは楽器の反復リズムで
トランス意識に入って
忘我の境地で神霊と交信しました。
人々が唱えるマントラや詠唱は、
意味を持った「言霊」である前に、
その音色や響きが宇宙と共振し、
スピリットが宿る「音霊」だったのです。

古代インドには、
「ナーダ・ブラフマ」という言葉があります。
宇宙は音である」「音は宇宙根源」という
意味ですが、
これは聖典「ウパニシャッド」に記される
宇宙は最初に音として顕れた
という内容とリンクします。
ここでいう〝音〞とは、
万物の根底で振動している根源波動、
存在を生み出す霊的振動のこと。
特に重視されたのが、創造・維持・破壊という、
宇宙循環そのものを
象徴する根源音「オーム」です。
これは、キリスト教の祈り句「アーメン」とも
共通の響きがあります。

根源のスピリットから
魂として分かれた私たちは
それぞれが魂固有の響きを
放つようになりました。
その意味で、私たちは〝音そのもの〞の
存在ともいえるでしょう。
そんな私たちが再び根源へ戻るために、
音は〝光の方舟(はこぶね)〞となってくれるのです。

また、古代ギリシャから始まった
音楽史の原点は
宇宙に流れる調和の響きに自らを重ね、
魂を調律することでした。
自然界が奏でる森羅万象の響きは、
たえず共鳴し合い、宇宙の調和を映した
星の旋律を奏でています。
その響きに身をゆだね、
自らがその一部として溶け込んでいくとき、
私たちは万物とつながる聖なる世界への
扉を開き始めるのです。

癒し、祓い、覚醒、悟り――
霊的な変容プロセスの傍には常に音があり、
音とともに霊的進化を遂げてきた
私たち人類。
存在の根本を成す音を知ることは、
すなわち自分を知り、
宇宙を知ることにほかなりません。

今号では、現代の音楽シーンで
そんな音の叡智を伝えている
魂の表現者たちへの取材を通じ、
音が秘める神秘と力を
多角的に探究してまいります。
自然、生命、意識、祈り
というテーマを織り込んだ
音の旅をたどりながら、
読む人の感受性と霊性、内なる響きが
開かれていくよう設計しました。

さあ、音でつながる、聖なる世界へ――。

アネモネ編集長中田真理亜

 


この記事は月刊アネモネ2026年7月号に掲載されています。
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アネモネ2026年7月号表紙

 

 

 

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